登記記録に所有権や抵当権などの権利が記載され、これが公示される(国民に公開される)ことで、その不動産の所有者は自分だと示したり、住宅資金を貸し付けている金融機関が担保を確保したりすることができます。
わたしたち司法書士は、不動産取引が行われる場に立ち会い、取引対象の不動産の確認、取引の原因となる契約の確認、取引当事者の意思の確認などを行い、正しい登記を実現させることで、不動産取引を安全に完成させる役割を担っています。
不動産を購入したとき
購入される不動産の売買契約に基づいて「所有権移転」登記を申請することで、売主から買主に登記記録の名義が変わります。手続きの依頼を受けた司法書士は、当事者の意思、不動産、そして本人であることの確認を行い、登記手続き書類に不備がないことを確認します。この確認のもとに、代金の支払いや融資の実行、鍵の引き渡し等が行われることになります。
建物を新築したとき
司法書士は、建物の所有者が誰であるかを公示する「所有権保存」登記を申請します。この登記により、新築した建物に初めて所有権の登記がなされることになります。
なお、新築の建物については、まず、その建物についての「表題登記」をする必要があります。「表題登記」は、どの土地の上にどのような建物が建ったのかを示すものです。この登記手続きは、土地家屋調査士が行います。
不動産を相続したとき
不動産の所有者が亡くなられた場合、相続による「所有権移転」登記を申請します。
司法書士は、亡くなられた人の相続人を戸籍謄本等を取り寄せて確認し、相続人の間で具体的にその不動産を誰が相続するのかを話し合って(遺産分割協議)もらいます。特に決めなければ、法律で定められた割合によって、それぞれの相続人が不動産を相続することになります。
相続登記は、いつまでにしなければならないという決まりはありませんが、一般的に、相続登記を長年放置していると登記手続きに必要な書類が集まらなかったり、権利関係が複雑化したりすることが多いため、早めの手続きをおすすめします。
住宅ローンでお金を借りたとき
住宅ローンの借り入れをした場合、担保として不動産に抵当権を設定することが一般的です。このとき、住宅ローンの貸付→売買代金の支払いというお金の流れになりますが、これらには、①売主と買主が行う「所有権移転」登記手続き、②買主と金融機関が行う「抵当権設定」登記手続きをしなければなりません。
司法書士は不動産の売買と住宅ローンの貸し付けが行われる場に立ち会い、登記に必要な書類に不備がないように確認を行い、手続を円滑に進める役目を担っています。
住宅ローンの支払いが終わったとき
住宅ローンを完済すると、抵当権はその役目を終えるため、金融機関等から抵当権を抹消するための書類が送られてきます。「抵当権抹消」登記手続きは、いつまでにしなければならないという決まりはありません。しかし、金融機関等から送られてくる書類の一部には有効期間のあるものも含まれていますので、金融機関から送られてきた書類一式をお持ちのうえ、早めにお近くの司法書士にご相談下さい。